安全で仕上がりの良い白髪染めとは?“白髪染めのメカニズム”

白髪染めのメカニズム

白髪染めと通常のカラー。いったい何が違うのでしょうか?白髪染めとして販売されているものは、若い子が使うヘアカラーとは違うのでしょうか?実は髪を染めるしくみは同じなのですが、白髪を染めやすくするのか、黒い髪を染めやすくするかによって配合が異なっているだけなのです。

ヘアカラーの箱を開けると、1剤と2剤が入っています。パッチテストが終わったら、まずはこれを使用前に混ぜて準備をしなければなりません。混ぜないで1剤と2剤を別々に髪に塗布したり、どちらかを使用しなかったりすれば、化学反応がおきず髪を染めることはできません。この1剤にはア1ルカリ剤が入っていて、髪のキューティクルを開くはたらきがあります。また、酸化して発色するパレフェニレンジアミンやパラアミノフェノールなどの髪に色をつけるための染料も入っています。この染料は酸化して初めて発色するので、そのためには2剤に含まれる過酸化水素の働きが必要となります。したがって、1剤と2剤をまぜる作業は面倒ではありますが、これが髪に色をつけるための重要なポイントになるのです。化学の実験でもしているつもりになれば面白いかもしれませんね。

2剤の過酸化水素は色素を酸化させるほか、メラニンを分解して髪の色を抜くブリーチ剤としても働きます。保健室で使用するオキシドールはこの過酸化水素を薄めたものです。学生時代にオキシドールで髪をブリーチした人もいることでしょう。漂白や消毒に使用するものは濃度が薄いので問題ありませんが、濃度が高いものは害があり、やけどや炎症を起こしたりしますので気をつけなければいけません。

2剤で髪の色素が抜けたところに酸化によって作られた色素が入り込みます。奥に入り込むので洗い流しても落ちないため、長期間持つのです。これがヘアカラーで髪が染まるメカニズムです。髪のキューティクルを無理に開くわけですから、髪が痛まないはずはありません。髪の内側に浸透しやすくするためには必要な手順なのですが、アルカリ性に傾いたままになってしまうとキューティクルがはがれやすくなりますので、酸性のリンスを使用するなどして中和することが必要です。

一方ヘアマニキュアはどのようなしくみかというと、髪の表面のたんぱく質とヘアマニキュア内の染料とが結びつくことで髪に色がつきます。ヘアカラーと違って髪の内側のキューティクルを無理に開いたり傷つけたりすることはなく、外側をコーティングするのでつやもでるのです。